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Ⅰ.緒言
人間の呼吸は生理的に鼻呼吸が元来基本になつているので,鼻腔における急性並びに慢性の炎症又はアレルギー性炎症などによつて鼻閉が起るとその苦痛もさることながら,時によつては種々の病気の原因になつたりすることがある。
鼻粘膜の充血除去に対する薬物による対症療法としては昔から局所にアドレナリン,エフェドリン等が用いられたが,習慣性が起つたり,鼻甲介の反応性腫脹が起つて結果的には逆に鼻甲介の肥大を起したり,線毛上皮を損傷したりした。この外抗ヒスタミン剤とか収歛剤,化学療法剤等が用いられているが,近年登場してきた硝酸ナフアゾリン(プリビナ)とか塩酸フエニレフリン(ネオシネジン)とか塩酸テトラハイドロゾリン(ナーベル)等の血管収縮剤の方がやはり効果の点で使用されることが多い。しかしこれらは点鼻薬という新しい形式によつて市販されており,一般家庭人によつて比較的安易に乱用されている傾向があり問題になつている。これらはアドレナリン,エフェドリン等のような副作用も割合に少いといわれているが血管収縮剤であり,多量に使用したり,長期に連用したりすれば中毒を起すこともあり,特に幼小児等ではショックを起したりすることもある。又一方それらの殆どが血管収縮剤のみのため治療効果の点でも限界があり,より効果が確実且安全で,しかも副作用もより少いものが待たれていたわけである。
For relief of nasal blockage Kol-tyzin Nasal Spray (0.05% of sodium salt of tetra-hydro-zolinprednizolon were used; it was favorable in 67% of cases. For relief of nasal blockages in simple rhinitis, allergic rhinitis and chronic hypertrophic turbinates the agent was effec-tive in 96% of cases. But, it was not effec-tive in treatment of sinusitis. The agent takes effect within 2 minutes after its appli-cation and lasts for the period 9 hrs in dura-tion. The effectivity of Kol-tyzin appear to be superior to all other agents in comparison.
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