特集 鼓室形成術
皮弁下含気腔形成の諸問題
北村 武
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科
pp.883-886
発行日 1962年10月20日
Published Date 1962/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202930
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慢性中耳炎の治療法として広く行われている鼓室形成術に際しては新しい鼓膜となるべき皮弁の移植が行われる。その移植片が活着するためには移植床は広く,皮弁と密着することが望ましい。しかるに中耳の伝音機構は鼓室と呼ばれる含気腔中にあり,鼓室形成術とはその含気腔の再現に外ならないので皮弁の中央は宙に浮いておらねばならない。此の2つの相反する条件を融和させで始めて手術がその本来の目的である炎症め消退と伝音機構の機能改善に成功したことになる。
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