特集 出血と止血
Ⅱ.各論
1.部位別の出血及び止血
d.喉頭
橋本 泰彦
1
1日本医科大学
pp.312-319
発行日 1961年4月20日
Published Date 1961/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202651
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I.はしがき
喉頭は耳鼻咽喉科領域でも最も深いところに位置し,下は気管に続いている関係上気道としての呼吸作用の他,発声作用に関与する特殊な解剖学的機構を有するので出血という問題から之を観察すると,極めて複雑でしかも反射の強い為めに厄介なところの一つといえよう。
ここに,ある患者が血痰を主訴として来診した場合,肺疾患からのものなりや,或は上気道からのものなりやの判定は勿論,喉頭そのものからの出血でも,照明下に喉頭鏡操作によらなければその出血部位,出血の程度は確認出来ない。
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