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口蓋扁桃腺摘出後のIversalの使用経験
板倉 秀
1
,
伊藤 明和
1
,
加藤 寿作
1
1名古屋大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.314-317
発行日 1959年4月20日
Published Date 1959/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202230
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緒言
Iversalは主として口腔,咽頭,喉頭の細菌性疾患に対して使用される化学製剤として,1955年より外国に於いて使用され,その臨床適応範囲も広い。F. Schwerdtfeger,E. Kley,H. Nurmberger,G. Domagk,K. Eimer及び前崎等は,咽頭,口蓋扁桃の急性炎症,及びアフタ性口内炎等に使用して,その著効があり且つ全く副作用なきことを報告している。
口蓋扁桃摘出術の難易,手術時に惹起する種々の事故については従来種々の論議が重ねられて来たが,手術後の疼痛,出血,創傷治癒に対しても種々の対策が考えられて来た。口蓋扁桃腺摘出術後の術創の疼痛,嚥下痛は食事摂取,栄養補給にも大きな影響を及ぼし,それにもとづく体力の消耗が手術侵襲による炎症の回復を遅延せしめ,時には種々の不快な術後後遺症を併発して,扁桃腺摘出術の治療成績にも大きな反映を及ぼすことが充分に考えられる。
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