Japanese
English
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑲口蓋扁桃摘出術(成人)
⑲Clinical pathway for adult patients received tonsillectomy
高巻 京子
1
,
李 昊哲
1
,
竹中 洋
1
Atsuko Takamaki
1
1大阪医科大学応用外科学講座耳鼻咽喉科学教室
pp.771-778
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101147
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I はじめに
1983年に米国で『診断群別定額支払方式』(DRG/PPS:diagnosis related groups/prospective payment system)が導入されたことをきっかけとして,カレン・ザンダー看護師が生産工程管理に使われていたクリニカルパス手法を医療の世界に導入し,クリニカルパスの運用が開始された1)。
米国でのクリニカルパス(以下,パスと略す)導入の目的は,出来高払いから定額払いに対応するために在院日数を短縮し,医療の質を保証し,業務を効率化することであった。日本におけるパスの目的には,これに加えインフォームド・コンセントを充実させることやチーム医療を推進することなども含まれている。また,定額払いの規制が米国に比べ緩やかであるため,急性期のみならず,亜急性期,慢性期医療をも包括し,独自の道を歩み始めつつある2)。
耳鼻咽喉科領域では口蓋扁桃摘出術の手術件数が多い。この手術は術後経過が比較的一定で,入院期間も短期間に限られるため,パスの良い適応である。そこで本稿では,当科における口蓋扁桃摘出術の医療者用パス(図1)と患者用パス(図2)に用いる用紙を呈示し,パス運用に伴う利点および欠点について若干の考察を加えた。
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