Japanese
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シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑲口蓋扁桃摘出術(成人)
⑲Clinical pathway for adult patients received tonsillectomy
杉尾 雄一郎
1
,
洲崎 春海
1
Yuichiro Sugio
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.780-786
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101148
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I はじめに
クリニカルパス(以下,パスと略す)は,一定の疾患をもつ患者に対する看護活動,検査,治療,栄養指導,薬剤管理,安静度および日常活動,入院中および退院後の生活指導などを経時的に表にまとめたもので,1985年頃に米国の看護師Zander1)によって考案され,看護の質の向上,患者の満足度の上昇,医療スタッフの教育,医療施設の経営改善などに効果を上げる臨床マネージメントツールとして,欧米の医療施設に急速に浸透した。
本邦では1990年代半ばから導入する施設が増加し,現在では多くの施設でパスが使用されている。当科でも1998年からパスを導入2)し,医療の質の標準化,ケアの効率化,新人スタッフの教育,スタッフ間の協調に一定の効果を上げている。また2003年からは,従来の出来高による算定であった入院診療報酬が,DPC(diagnosis procedure combination:診断群分類構築)と呼ばれる疾患ごとの分類によって決められた係数と,医療機関別包括評価という施設別の係数を掛け合わせた定額支払い制に変更された。この方式によれば,在院日数が短いほど病院の収入は多くなる。その結果,必然的にパスも,在院日数の短縮や医療経済的効果も考慮したものに変貌している。このような状況下において,当科における口蓋扁桃摘出術のパスについて,導入当初のものと現在のものとを比較,検討した。
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