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Ⅰ.緒言
蛋白分解酵素が臨床的に応用されるようになつたのはPepsin(1838)を始じめとして,Papain(1870),Trypsin(1867),Chymotrypsin(1913),Stretokinase(1933),Plasmin(1953),Kallikrein(1953),Lysozyme(1922)があり,最近はPronase,Bromeleinなどが耳鼻咽喉科領域において用いられるようになつた。
パイナプルの幹より抽出されたBromeleinは炎症部位の体液循環を改善し炎症性産物を除去して,潮紅,腫張,疹痛症状を緩解し,気道,鼻腔などに滞留する粘稠な膿性分泌物を融解排出せしめる作用がある。また創傷術後,火傷などにおける病巣面を清浄化し,肉芽組織の発育を促し,組織の自然な回復をもたらす。また病巣部の血管や組織の透過性を高め,抗生物質を始め化学療法剤の病巣への侵達を助長し,治療効果を増す作用があるとされて,Bromelein製剤であるananaseは,耳鼻咽喉科領域においては主として慢性副鼻腔炎に用いられ,いろいろの報告がされている。しかしこれら薬剤の効果の判定は必ずしも容易でなく多少とも判定に主観性が含まれる場合がある。この点からBromlein製剤ananaseの単独使用による効果を確かめかつ客観性のある薬剤効果の判定を可能な限りしたいと考え扁桃腺摘出術後に使用する機会を得たので報告する。
Ananase was administered for treatment of post-tonsillectomy wounds. The period in which the wound healing occurred by the use of this drug was much shorter than that of antibiotics. The effects would be visible in 3 or 4 days with the dosage of tablets a day. No side effect was noted.
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