特集 扁桃—今日の臨床指針
V.診断と治療
口蓋扁桃摘出術の適応と禁忌
野田 寛
1
,
宇良 政治
1
1琉球大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.871-876
発行日 1985年10月20日
Published Date 1985/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210042
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I.はじめに
扁桃摘出術は技術的にはさほど難かしくないこともあって,われわれ耳鼻咽喉科医がその臨床の初期から行いうる千術である。しかし後出血やショックなどの危険性を常にはらんでおり,その適応には充分に慎重でありたい。
扁桃は容易に視診できる場所にあり,その病態を局所から見極めることも可能であるが,必ずしもそれだけでは扁桃摘出術の適否を決めることはできない。医療は患者の身体的・精神的利益を求めてなされるべきで,社会的条件も含めてその医療の可否を検討されねばならない。その意味で詳細な病歴の聴取は重要で,それによって扁桃摘出術の適否の多くが決まる(図1,2)。
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