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鼻腔タンポン材についての考察(セロフアン—ラテツクス・スポンヂタンポンについて)
矢崎 定造
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.115-120
発行日 1957年2月20日
Published Date 1957/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201738
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鼻科手術後に於けるタンポンの使用は,創傷に及ぼす影響を考慮して,無タンポンを唱える磯部,松井,大田等の報告もあるが,多くは術後性の出血を避けるために,タンポンを施すのが常識となつている。それ故,術後に使用するタンポン材に就ては,古くから問題になつている所である。
鼻腔にタンポンを行つた最初の報告は,外科医Aradonana のアツシリヤ文に発見されると云う。以後本世紀に入つてからは種々のタンポン材が使用されており,之を文献上に求めて,A.綿花,B.ガーゼ,C.ゴム類,D.気泡性を有するもの,E.液化性を有するもの,F.其の他と区分して整理すると,第1表の如くなる。所が文献上,之等のタンポン材の物理的性状等の比較に就ては,殆んど触れる所がない。そこで私は,主なるタンポン材に就て,実際使用上問題となる諸性質等を次の様に区分して検討して見た。即ち,吸収性,伸展力,復元性,可塑性,滑脱性,均質性,消毒の難易,価格の高低,再使用の可否等に就てゞある(第2表)。
As a material most suitable for nasal tam-pon Yazaki mentions the efficacy celophan-ra-tex.Other materials used for this purpose such as cotton wool, gauze, smooth and foam rubber, and,liquids are studied in contrast to celophan-ratex sponge.
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