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副鼻腔に発生したPlasmacytomの1例
光増 昭
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1長崎大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.740-741
発行日 1956年11月20日
Published Date 1956/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201664
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Plasmacytomが鼻腔,副鼻腔に原発する事は甚だ稀であつて文献を尋ねても外国に於ては1905年Schriddeが40歳男子の鼻内に本症を見出したのを始めとして,1914年Faciniが鼻腔内に発生した例,1916年にHojekが53歳男子の前頭洞及び篩骨蜂窠内に発見した例を報告した。その他,Rössle,Hückel7),Blumenfeld8),最近Taylor9),Howarth10)等16例の報告があるに過ぎない。我が国に於ては,1914年吉井1)が51歳男子の左鼻腔側壁に発生した本症を報告して以来1927年田中2)が53歳男子の上顎骨側面並びに前面に,1931年猿渡3)が29歳男子の上顎洞に,1934年丸山が上顎洞,篩骨蜂窠に発生した例,1936年伊藤4)が63歳男子の固有鼻腔並に上顎洞内に原発した例,岡野5)上埜6),山田等10例の報告があるのみで現在まで報告された鼻腔,副鼻腔,上気道に発生した本症は国内,国外を合せて26例に過ぎない。私は最近上顎洞腫瘍の疑で我が教室を訪れ,手術後,組織学的検の結果Plasmacytomなる事を確認した1例に遭遇したので報告する。
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