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耳鼻科領域に於ける麻酔法に対する予等の考え
西村 義一
1
,
野原 豊蔵
1
1鏡友会
pp.566-568
発行日 1956年8月20日
Published Date 1956/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201621
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緒言
耳鼻科領域に於ける手術には従来主として局所麻酔が行われていた。侵襲部位が顏面であり完全に無痛と言うわけにいかなかつた。にもかゝわらず,耳鼻科専問医は患者の疼痛恐怖感を殆ど無視して手術を強行する嫌いがないわけでなかつた。麻酔法のみならず出血量についても殆んどかえりみられなかつた。上顎洞経由篩骨蜂窩解放手術に於ては,片側の出血量は兵氏によれば平均350gであり,多いもので500乃至700gの出血量を見るものである。この点についても予は従来疑問に思つていた。それで先づラボーナルによる麻酔法を採用,これによる自験例300例に達した。
更に最近は小手術のトリクロールエチレン麻酔低圧下気管内麻酔を試み,概ね満足すべき結果を得たので報告する。
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