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慢性側頭骨炎の聴力改善手術—保存的側頭骨炎根治手術,側頭骨炎根治手術
仁保 正次
1
,
安田 和秀
1
1横浜鏡友会
pp.155-158
発行日 1956年3月20日
Published Date 1956/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201509
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所謂慢性中耳炎,我々の慢性側頭骨炎に依る難聴の原因は初に起る側頭骨含気蜂窠炎である。此が慢性に移行し慢性側頭骨炎となり,伝音系障碍も次第に高度となり,混合難聴となり,藥剤或は通気,ムツク氏吸引等の保存的療法では患者の日常生活或は生存の為の職業生活に支障を来し,初めて我々の手術的療法の対称となるのである。
我々の錐体手術15年間の歴史を省るに初は化膿性髄膜炎,錐体炎明示型等が手術の対称であり,或は斯る症例に手術を行つて治癒不全の,現在の言葉で言えば慢性錐体炎が手術の対称であつた。当時は錐体迷路周囲部を掻爬すれば危険である或は術後聴力は悪くなると謂われていた。昭和15年の上蜂窠列掻爬術前術後のオーヂオグラムが本誌錐体炎特輯号536頁(昭和24年)に掲載してある。当時は迷路周囲部を掻爬しても聴力を悪くせぬと云うだけで精一杯であつた。
Miho and Yasuda maintain that, when radical temporal bone surgery be performed with the end to eliminate all infected tissues in the immediate vicinity of the labyrinth, hearing improvements will be established in the hard of hearing patients whose affections are due to inflammatory process.
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