懸賞論文
鼻性反射神経症について
岩田 逸夫
1
1名古屋第一赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.582-592
発行日 1955年10月20日
Published Date 1955/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201412
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第1章 はしがき
一般に神経症と称するものは,素質と刺戟の函数といわれ,その刺戟に心因性と反射性とあり,この刺戟が知覚神経に加えられる時,求心性衝撃を生じ,中枢に伝わり,それから遠心性に或一定の器官に,感覚,感情,意志等の精神現象の関与なく,或一定の作用を発現するものの中,病的なものを反射神経症という。鼻粘膜は非常に鋭敏で,刺戟を受けると,鼻自体に反射が起るのみでなく,遠隔部の臓器にも起り,逆に他臓器の刺戟によつて鼻に反射現象が起る事もあり得る。斯様な鼻の反射現象が病的な状態で現われる場合,之を鼻性反射神経症という。
通常反射現象の反射弓としては,求心線維,中枢,遠心線維が必要とされている。
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