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緒言
高血圧に対する病理学及び治療学の進歩に伴い,高血圧症に際しての脳血行の状態殊に病的脳血管が頭の位置の変化によつて直ちに著明に影響を受け,その血流速度に変化を及ぼすことが明かになつた。
脳半球の左右に流血量及び血流速度に変化を来たすため,ひいては内耳の淋巴液に圧の変化を来たし,前者に依り頭痛,頭重感,不眠等の症状を訴え,後者に依つて眩暈等の症状を起して来るのであろう。脳半球の血流速度及び流血量の相違は実験的には頸部交感神経が切断された場合と,もう一つの場合は前者と全く反対の条件を来たすのであるがBlutdruck züglerを切断した際に見ることが出来る。すなわち所謂高血圧症の初期の血管神経症期の場合である。我々がここに高血圧の初期を血管神経症期と呼ぶについては暫くおくとして,この期には血管が痙攣して流血量に変化を来たす。猶又この際に異常頭位眼球震盪が出現するのである。
Fujisaki and associates maintain that intra-venous use of sodium bicarbonate is capable of reducing blood pressure, provided that the hype-rtension is due. to, either, vascular or essential cause. They tried this agent on 120 patients ; blood pressure reduction was effected with 10 to 30 intravenous injections at a dosage of 40cc of 7% solution per day. Where the hyperten-sion is the result of arteriosclerosis the agent seems to be ineffective.
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