長期間に亙り肺結核の治療を受けたる気管支異物の1例

　緒言

　気管支異物は無自覚の中に吸引せられて，往々気管，肺疾患と誤認せられて長期間に互り放置され，無症状に近きか，又は症状軽きため看過されることがある。私共は2年間に互り肺結核の診断にて治療を受け，その経過中に気管支異物の存在を確認され，当北大耳鼻科にて画釘を摘出し得た症例に遭遇したので，その概要並びに摘出経験を報告する次第である。

SUZUKI and SUMIYOSHI report a case of long standing bronchial foreign body that was erroneously considered as tuberculous affection of the lungs. With removal of the offending foreign body the patient made a prompt and uneventful recovery.