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巨大なる喉頭部咽頭線維腫の1治驗例—特に治療法の選擇について
竹田 千里
1
,
高藤 次夫
1
,
河村 正三
1
1東京大學醫學部耳鼻咽喉科學教室
pp.467-470
発行日 1953年9月20日
Published Date 1953/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200972
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喉頭部咽頭に發生する良性腫瘍には乳頭腫,線維腫,嚢腫,脂肪腫,血管腫等があり,中でも線維腫は比較的しばしばみられるが,その大部分は眞聲帶に發生する喉頭ポリープで所謂軟性線維腫であり,これに反して硬性線維腫は聲帶以外の部位に認められることが多く,文献上極めて稀なものである
我々は最近東大耳鼻咽喉科教室において,喉頭部咽頭側壁より發生し,しかも特異な組織像を呈する硬性線維腫症例に遭遇し,約1カ年以上に亘り色々と治療を加えたが,しかも頑固な再發をくりかえし遂にOrtonの經甲状軟骨側咽頭切開術(Lateral Transthyroid Pharyngotomy)によつて,はじめて手術的に根治せしめ得たので,主として臨床經過並びに治療法の選擇について報告すると共に,病理組織學的立場から若干の考察を行い諸賢の御批判を仰ぎたい。
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