症例研究
巨大腹壁瘢痕ヘルニアの治驗例
田中 武
1
1日本大学医学部産婦人科学教室
pp.78-81
発行日 1955年2月10日
Published Date 1955/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201149
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緒言
往時に於ける術後瘢痕ヘルニアはそれ程珍しいものではなかつた。スルフアミン剤の改良次いで抗生物質の発見,手術手技の進歩,手術用器械の改良等に依り手術創の一次治癒の極めて容易となつた現今,術後瘢痕ヘルニアは著しく其の数を減じたと謂われている。余は昨年,子宮腔脱根治手術後に発生し,再手術にも拘らず再発,患者の歩行までも困難ならしめた巨大腹壁瘢痕ヘルニアに遭遇し,腹壁成形術に依り治癒,今日に至るも再発を見ないので,茲に報告し文献に追加したいと思う。
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