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鼻出血の原因
pp.303
発行日 1953年6月20日
Published Date 1953/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200916
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鼻血にも色々な原因があるので,之を輕視して根本を見極めずに放置する事は危険である。外傷による鼻血としては鼻の打撲,鼻のかみ過ぎ,或は指を鼻孔に突つ込んだため,小鼻の粘膜が破れ鼻血を出したもの等である。病氣による鼻血には,急性傳染病(ヂフテリア,腸チフス,猩紅熱,感冒),出血性素因(壊血病,紫斑病),血液の病氣(白血病,悪性貧血病)血管の病氣(動脈硬化,血壓亢進)内臟の病氣(心臟,腎臟,肝臟病)中毒(猫イラズ)のぼせ(肺氣腫其の他)以上種々の場合があるが,鼻血が概して子供,老人に多いのはヂフテリー,アデノイド(子供に多い)又は心臟病腎臟病,動脈硬化(老人に多い)による鼻血が比較的多い事が云える。また婦人に於ては月經の代りに鼻血が出ることがある。
兎に角,鼻出血の場合は,病氣が原因ならばその病氣を,代償性ならば婦人科的に,原因不明の習慣性鼻出血なればのぼせぬように,刺戟のある食物を攝らぬように注意すべきである。
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