--------------------
アイオワだより(第1信)—耳鼻科教室をつくる人々
中村 四郞
1
1日大
pp.203-205
発行日 1953年4月20日
Published Date 1953/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200881
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
アメリカに渡つてもう半年があわたゞしいうちに過ぎてしまい,美しく廣い校庭を色どつていた緑の芝生もすつかり汚ない灰色にかわりその上でたわむれていたリスもいつのまにか姿を消し,その間に點在する灌木もすつかり裸にされてときにはその上に淡雪をさえ見るようになりました。たゞモミの樹だけはいつもとかわらず深みどりそのまゝでいますのでこれを利用して病院のまわりの樹々にはこれに赤,黄,緑の豆ランプをつけて天然のクリスマストリーが飾られています。アメリカ人の最大の行事クリスマスを目前に控えて彼等はいまその準備に大わらわであります。
このアイオワだよりももつと早くお送りする約束だつたのですが,何分こちらの生活に慣れる迄は見たり聞いたりすることに少からず不便がありましたので,誤つた事實をお傳えすることを恐れて今まで愼重にかまえていた次第で,そのうちにもう半年を經過してしまいました。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.