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アメリカに於ける耳製劑に就て
原 祿郞
1
1國立村松病院
pp.259-261
発行日 1951年6月20日
Published Date 1951/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200513
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米国に於いて耳痛患者に関しては実に想像以上の数字に上つて居る状態であり然し乍らこの問題に関しては比較的等閑に附されて来た憾が多い樣に思考されます.然し乍ら幸にも藥の進歩は常に福音をもたらし特に耳病治療に於ても明るい光を投じてる次第であわます.然して耳病の重要性は公の問題とし特に軍隊入隊壯丁の3.9%は実にごの耳欠陥に起因してると言われて居り又各界の著名人,運動家中にも其の数を見受けられる状態であると言われている。「アメリカの調査に依りますと約300万人の学童は聽力を害し悩んでいると言われ七歳以下の子供に於て200万人以上の数に上り即ち将来成人した曉には実に500万人の聽力無能者やつんぼの不具者を作る結果となります。故に以上の統計上から見て何等かの処置を講ぜねばならない事は必然的に起きた訳であります.勿論之が対策を講ずる前に吾々は更に更に耳の構造機能に就いて充分なる予備知識を吸收せねばならない事は当然の事と思います・
扨て1935年Domagkのズルフアミン剤の発見以来中耳炎の治療に重要な関係をもたらしては来ているがこのものは臨床試験結果一定の限界を有する事が述べられている.然して或る臨床家は元来ズルフアミン剤の治療は激しい中耳炎の場合に於て早期に服用すべきであり又再発を考慮し長期間服用すべぎであると述べている,
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