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文献—舌・咽頭の扁平上皮癌/文献—鼻癌
pp.529,576
発行日 1963年7月20日
Published Date 1963/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203072
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pseudosarcomatous fibromatosisは間質結合織の増殖なので,ここには含めない。咽頭1,舌2のpseudosarcomaを報告し,ポリープ様腫瘤の中に上皮性要素があり,扁平上皮癌と直接関係をもつというような考え方がのべられている。紡錘細胞癌という古い概念は,癌細胞と間質細胞との移行型を証明しえない弱点があるが,表皮が広い潰瘍をつくるのでそういうことになるが,紡錘細胞の間に癌細胞は見られる。こういつた癌は照射・外傷・瘢痕などが原因になると思われる。,このような異常な形態を取る理由は,ポリープ様形態(粘膜潰瘍化し肉芽が過剰に生ずるため),ポリープをおおうCa in situが紡錘細胞浸潤を招く,および扁平上皮由来の紡錘細胞が増殖するという3要因にもとつくと考えられる。こうした上皮性の紡錘細胞と線維芽細胞とを鑑別することはなかなか困難である。しかしspindle cell caでは線維芽細胞は増殖しない。また上皮性の紡錘細胞は組織培養でも紡錘形に発育する。培養された紡錘細胞内には小滴があり,そのためpinocyteとよばれることがある。小滴はケラトピアリンではなく,ビールス感染かとも想像される。carinosarcoma, collision tumorと鑑別すべきである。ポリープ状なので予後がよいかというに癌はふかく浸潤していることが多い。しかし照射その他の療法にはよく反応する。
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