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腎周圍膿瘍を伴える結核腎剔出術に就て
伊良子 光孝
1
,
中村 寬
1
1大津赤十字病院外科
pp.394-395
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200778
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吾々が遭遇する腎周圍膿瘍は化膿性腎石,腎膿腫・特に腎臓結核に因するものが多い。尿路の障碍を訴えることなしに高熱を伴える腰部疼痛性腫脹として内科醫を訪れ,始めて腎疾患と診定せらるゝので,外科的處置を受けるまでには相當の日數を經過せるのが通常である。從つて外科醫としては腎筋膜外炎症が後腹膜腔組織に波及して著しき瘢痕癒着のために腎剔出に困難を感するのである。而もかゝる患者は一般状態極度に衰弱せるもの多き故にその治療に對しては充分なる手技を要するのである。
私等は最近經驗せる腎結核に随伴せる腎周團膿瘍,及びその後に來る腎剔出に關し,其の手術經過より最も適切と思考せられる治療方針を體得せる故に簡單に報告する。
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