Japanese
English
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皮膚アスペルギルス症の1例
A CASE OF CUTANEOUS ASPERGILLOSIS
地土井 襄璽
1
,
松本 恭子
1
Jyoji JIDOI
1
,
Kyoko MATSUMOTO
1
1広島大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Hiroshima University
pp.561-565
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204382
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I.緒 言
真菌による疾患は,各領域においてその知識が普及し,それに対する関心が高まりつつある。皮膚科領域においては,特にその研究治療に力がそそがれてきており,この方面の業績も多い。以前から真菌性皮膚疾患は,便宜上表在性のものと深在性のものに大別されている。表在性のものは,その病変は一般に軽く,又,ごく一般にみられるものであるが,深在性のものは,菌が皮膚の内部,皮下,粘膜,あるいは内臓に寄生するもので,その病変も重篤である事が多い。
深在性皮膚真菌症を大別すると,元来皮膚疾患であるものと,内臓を侵すとともに皮膚にも病変を発生するものとがある。その前者は,スポロトリコージス,クロモブラストミコージス,ミセトーマなどであり,後者は放線菌症,クリプトコックス症,コクシジオイデス症,ヒストプラスマ症,北アメリカおよび南アメリカブラストミコージス,アスペルギルス症などである。この中,あるものは,わが国でも少数ながら次々と報告されているが,中には未だ全く報告例のみられないものもある。われわれは難治性の硬結を伴つた瘻孔を各方面から検査していた所,偶然,Asper—gillus fumigatusを検出し,又,組織内にも課粒を認めたのでここに報告する。
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