Japanese
English
原著
皮膚アスペルギルス症
ASPERGILLOSIS CUTIS : CASE REPORT
池田 真康
1
,
金原 武司
2
,
福代 良一
2
Masayasu IKEDA
1
,
Takeshi KINBARA
2
,
Ryoichi FUKUSHIRO
2
1福井県立病院皮膚科
2金沢大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fukui Prefectural Hospital
2Department of Dermatology, Kanazawa University School of Medicine
pp.223-227
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201276
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帝王切開を受け臥床中の家婦に生じた皮膚アスペルギルス症の1例を述べた.症例は31歳.昭和45年8月11目初診.病歴:7月30日帝王切開,仰臥位で臥床.術後3日目背部中央2か所に小膿疱の集まりが発生,融合して浸潤局面を形成.発病後10日目に皮膚科受診.現症:全身状態および帝王切開術創に異常なし.背部中央で脊柱の左側に,小鶏卵大と鳩卵大の2個の褐紅色浸潤局面がやや離れて縦に並んでいる,局面中央は潰瘍化して壊死塊が固着,辺縁は肉芽腫状で小膿疱多数,局面の周囲に衛星状の小膿疱(+).その様子は毛嚢炎および癰に似る.一般検査成績:貧血と血沈促進.組織像:拡大・破潰した毛嚢を中心に膿瘍形成,膿瘍内に隔壁ある太い菌糸多数,菌糸は放射状発育を示し,それらの先端は染まりが悪く,枯れたようにみえる.培養:組織片から純培養的にAspergillus fumigatusが得られた.本菌株はウサギに病原性(+),経過:背部の潰瘍は約1カ月半で瘢痕治癒した.
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