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I131-hippuranを用いたrenogramは,正常なら,注射後20-30秒で急上昇するvascular peak,つづいて腎内に取り入れられて5-8分頃つくる第2のintrarenal build-up相,最後に腎濃度が漸減するfall-away相の3相をつくる。尿流が増加すればfall-away曲線が急傾斜になる。Lawrence(Brit. M. J. 1:504, 1963)の示すように,尿管に閉塞があれば,閉塞の程度,罹患側腎の機能に応じた特色あるrenogramを呈する。腎機能正常なら始め2相は正常で,終相の下降曲線が出て来ないし,最近の完全閉塞なら,終相が逆に急勾配で上昇し,不完全閉塞なら少し上昇するか,あるいわ少しづつ低下する曲線となる。著者らは3例の尿管閉塞をrenogram尿管カテ,逆行性腎孟造影で診断し,手術の適応を決定している。腎不全があるとぎは尿管カテは感染をひろげるので好ましくない。renogramでは腎機能がよく保たれているか否かを両側比較しうるし,閉塞は手術的に除去しうるか否かを決定しうる。この間わずか20分ですみ,危険がない。著者の症例はこのrenogramの特色を完全に発揮した。最終相がやや上昇するか,flatplateauを形成するのは,乏尿,腎機能不全を示し,閉塞有無に拘わらない。Sherwood(Brit. J. Radiol. 37:645, 1964)は注射10分後の心臓の上のカウントを取ると,10分値/30秒値の比は内因性クレアチニンクリアランスに直線関係をもつという。著者例でもSherwood者で腎のoverall function良好で,最終相扁平で,したがつて,その側に閉塞があることを診断しえたものである。
Joekes, A.M. & Rellan, D.R. : Radioactive renography in diagnosis and treatment of acute obstructive renal faiure Lancet 7403 : 96-99, July 17, 1965
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