病巣感染と皮膚疾患—第1報感染病巣治療の再吟味

FOCAL INFECTION AND SKIN DISEASES:(1) RESCRUTINIZATION OF THE TREATMENT OF INFECTED FOCI

I．緒　言

　従来病巣感染に基づくといわれる皮膚疾患は数多く挙げられてはいるがその関連性を決定づける適確な証明法は未だ見出し難い。一般に病巣感染について一応Dechaume^1）のいう如く病巣源の排除による治療的診断法が最も信頼し得る現状である。然るに病巣除去による諸家の成績をみるに必ずしも一致したものとはいい難く，後記の如く病巣感染説を肯定すべき結果を示しているものはむしろ少ない。

　ここに病巣感染の観点より掌蹠膿疱症，アレルギー性血管炎，多型滲出性紅斑，リューマチ性紫斑病，環状紅斑，点状紅斑，Eczématidesについて病巣除去後病状の推移を観察し得た成績並に治療上問題とすべき若干の点につき論及したい。