Japanese
English
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瘙痒性皮膚疾患に対するイプシロン(ε-アミノカプロン酸)軟膏の治験
CLINICAL USE OF IPSILON (ε-AMINOCAPROIC ACID) OINTMENT FOR ITCHY SKIN DISEASES
中島 嘉四雄
1
,
針生 敬三
1
,
長沢 一磨
2
Kashio NAKAJIMA
1
,
Keizo HARIU
1
,
Kazuma NAGASAWA
2
1弘前大学医学部皮膚科教室
2弘前大学医学部産婦人科教室
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
2Department of Ostetrics and Gynaecology, Hirosaki University School of Medicine
pp.1135-1138
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204222
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I.緒 言
近年,瘙痒性皮膚疾患に対する抗プラスミン活性剤の効果が注目されており,全身投与により良好な治療成績が得られたという報告が輩出している1〜15)。線維素溶解現象がアレルギー発生機序に関与し,炎症発生機転に重要な役割を示すことについてはUngar16)その他17)の実験的報告があり,また蛋白或いはポリペプチドがプラスミンを含むある種の酵素によつて分解され,その産物によつて瘙痒が起ることもすでに報告されている18)。
いずれにしろ,瘙痒の発生はごく表在性である点,又従来の治験報告にも表皮アレルギー性疾患に有効であるとされるところから2〜3),抗プラスミン活性剤は全身投与よりも局所に外用した方がより有効ではないかと考え,今回,我々は抗プラスミン活性剤—イプシロンを含有する軟膏を試作し,各種の瘙痒性疾患に使用し,従来の軟膏との効果を比較検討し,更に本軟膏使用前後の血漿プラスミン活性値の測定及び実験的皮膚炎及び瘙痒に対する本軟膏使用前後の血漿プラスミン活性値を臨床成績と比較検討し得たので,その結果を報告する。
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