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ε-アミノカプロン酸による湿疹療法
伊崎 正勝
1
,
沼田 良七
1
1中野組合病院皮膚泌尿器科
pp.586-588
発行日 1955年9月1日
Published Date 1955/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201494
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無菌的に一応凝固した血液が細菌の汚染なしに自然融解することがある。此の現象はすでに1893年にDastreによつて報告され,その後RosemannMagFahren,Christensen等によりその本態が次第に明かにされるに到つた。その結果,凝固した血液が再び融解したのは血漿内の酵素により線維素がポリペプチツドの分解されたためであることが分り,此の現象は線維素融解現象(Fibrinolysis)と呼ばれ,酵素はFibrinolysin又はPlasminと名付けられた。
ところが1905年にNolfがペプトンを肝剔除犬の静脈内に注射し所謂ペプトンシヨツクを起した際にプラスミンの活性度が増加することを認め,更にRosemannが1920年に此のプラスミンが炎症と密接な関係を有することを示唆して以来,アナフイラキシー,手術後,又は突然死,火傷等に際し血液中のプラスミンが著明に活性化されることが明かになつて来た。更に又,Rocha e Silvaはプラスミンの活性化がアナフイラキシー発現の原動力であると提唱し,岡本等はプラスミンがアレルギーのみならずその類似現象の発現にも関与すると予想するに至つた。
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