Japanese
English
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細網肉腫症の剖検例
AN AUTOPSY CASE OF RETICULOSARCOMATOSIS
笠井 達也
1
,
牧野 好夫
1
Tatsuya KASAI
1
,
Yoshio MAKINO
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.920-926
発行日 1965年9月1日
Published Date 1965/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204177
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I.緒 言
リンパ節原発腫瘍,即ち所謂悪性リンパ腫といわれるものの中で,細網肉腫の占める割合は,我国ではかなり大きく,その症例数も相当多数に上つているが,皮膚科領域における細網肉腫の報告は決して多いとはいえず,また皮膚科学的立場より本症に検討を加えた報告も少ない。細網肉腫を含めた広い意味での細網症の概念は,そもそもその根底をなす細網内皮系の内容そのものについての見解が,未だ十分に統一されていないという事情もあつて,論者によりその内容にかなりの差異があることは,改めていうまでもないところである。しかしこれを詳細に論ずることは容易ならざる問題であつて,ここで十分に検討することは出来ないが,著者はたまたま細網肉腫症と診断され,急速な経過で死の転帰をとり,剖検の機会を得た1例を経験したので,ここにその症例を報告し,併せて細網肉腫症に関する若干の考察を試みたいと思う。
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