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泌尿器科図譜・201
成人にみられた先天性後部尿道弁形成
CONGENITAL VALVES OF POSTERIOR URETHRA : REPORT OF AN ADULT CACE
広川 信
1,2
,
吉邑 貞夫
1,2
,
福島 修司
1,2
Makoto HIROKAWA
1,2
,
Sadao YOSHIMURA
1,2
,
Shuji FUKUSHIMA
1,2
1横浜市大医学部泌尿器科教室
2横須賀共済病院皮膚泌尿器科
1Department of Urology, School of Medicine, Yokohama University
pp.656
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204118
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- Abstract 文献概要
症例 初診時,30歳男子。 主訴 排尿痛と頻尿。生来より頻尿とせんえん性排尿あり。
現症 腎機能良好でI.P.は正常。カテーテルの挿入は容易であるが,残尿は40〜60ccを動揺していた。尿道鏡検査では,精阜肥大とその下端から前側壁粘膜に膜様弁が移行しており,又前立腺部より膿の流出が観察された。膀胱尿道撮影では,後部尿道の拡張延長像と膀胱肉柱形成が,排泄性撮影でみられ,単なる膀胱撮影では,後部尿道の病変は不則におわつている。尿道撮影では,前立腺膿瘍によるスパスムスのためか,後部尿道は描出されなかつた。通常,特異な像はないとされている。精阜を中心に,Youngは弁形成を三型に分類している。本症は一型に属し,乳幼児報告例に比較して,閉塞程度は軽度であつた。なお,弁と肥大した精阜は経尿道的に切除した。自覚症状は消失し,残尿は20cc前後に減少した。
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