Japanese
English
--------------------
肛囲に生じたBowen Carcinomaの1例
A CASE OF BOWEN CARCINOMA IN THE PERIANAL REGION
古谷 達孝
1
,
鳥居 ユキ
1
Tatsutaka FURUYA
1
,
Yuki TORII
1
1東大分院皮膚科
1The Section of Dermatology, Branch Hospital of Tokyo University
pp.143-147
発行日 1965年2月1日
Published Date 1965/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204007
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒 言
Bowen病は独特な臨床ならびに組織学的所見を呈する疾患で1912年Bowenにより始めて記載された。このBowenの記載以来多数の症例が報告されている。本症の本態については当初,Bowen, Darierにより癌前駆症(前癌症)とみなされたが,今日では周知の如くに表皮内癌性病変…intraepidermal carcinoma, carcinoma in Situ…とみなされるにいたつている。しかしてBowen病は発育比較的緩慢でしかもその病変は長期間表皮内に留つているとされているが,究極においては基底膜を破り,真皮内に浸入,増殖し,所属淋巴節その他の臓器に転移を生ずるものとみなされている。事実かかる症例が時々報告されている。かかる病変においては前述のBow—en病の定義……intraepidermal carcinoma……より最早やBowen病と呼称することは出来ない。Bowen病を基盤として生じたinvasive carcinomaとも呼ばれるべきものである。筆者はBowenにより記載された如き表皮内癌性病変をBowen病と呼び,このBowen病を基盤として生じたinvasive carcinomaを仮にBow—en carcinomaと呼んでいる。筆者らは最近Bowen carcinomaと思われる1例を経験したのでここに簡単に 報告する。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.