原著
Paradoxical Bowen's Carcinoma
玉田 伸二
1
,
佐野 寿昭
1
,
橧澤 一夫
1
,
榊 哲彦
2
Shinji TAMADA
1
,
Toshiaki SANO
1
,
Kazuo HIZAWA
1
,
Akihiko SAKAKI
2
1徳島大学医学部第一病理学教室
2徳島大学医学部皮膚科教室
1First Department of Pathology, School of Medicine, Tokushima University
2Department of Dermatology, School of Medicine, Tokushima University
pp.429-432
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203039
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80歳,男性.約4ヵ月前から左腰部にくるみ大疣状腫瘤が発生.5—FU軟膏外用治療受けるも増大するので切除.病理組織学的に,毛包上中部にボーエン病様変化を認め,paradoxical Bowen's carcinomaと診断した.
抗癌剤外用治療の既往がある場合,附属器内に残存した腫瘍細胞が毛包上中部を中心に異型的増殖を示し,再生した表皮は正常か,あるいは腫瘍の毛包からの逆侵入を受けることがあると考えられる,このような病変を見た時は毛包原発性悪性腫瘍と鑑別する必要がある.
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