Japanese
English
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老人性皮膚瘙痒症,その他の瘙痒性角化性皮膚疾患に対するAlpha-Keriの試用経験
CLINICAL EXPERIENCES OF THE TREATMENTS OF PRURITIC AND KERATTIC SKIN DISEASES WITH ALPHA-KERI
小林 敏夫
1
Toshio KOBAYASHI
1
1名古屋大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Nagoya University
pp.1217-1220
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203948
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I.はじめに
皮膚の表面はケラチン質の固い角層で保護されているが,角層は更にその表面を汗と皮脂の乳化物である皮脂膜で被覆されることによつて,乾燥による硬化を防ぎ,常に適度の柔軟性を維持するように自然の調節が行われている。
新陳代謝が旺盛な,健康な青年男女においては,アルカリ性の強い石鹸を使用して皮脂膜を殆んど完全に取り去つても,30分から1時間位の間に再び元通りに皮脂膜が再形成されるものである。しかるに更年期から老年期に近づくにつれて,真皮結合織の退行変性と共に汗腺,皮脂腺などの皮膚附属腺の機能が減退するので皮脂膜の形成能が衰えてくる。したがつて角層内の水分含有量も減少してカサカサした乾燥性,角化性の皮膚になつてくる。
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