Japanese
English
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腎結核における原発性耐性菌感染の観察
AN OBSERVATION ON PRIMARY DRUG RESISTANT BACILLUS INFECTION OF RENAL TUBERCULOSIS
阿世知 節夫
1
,
島田 勝彦
1
,
大井 好忠
1
Setsuo ASECHI
1
,
Katsuhiko SIMADA
1
,
Yoshitada OHI
1
1鹿児島大学医学部皮膚泌尿器科教室
1Department of Urology, Faculty of Medicine Kagoshima University
pp.647-649
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203821
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I.はしがき
腎結核に対して化学療法のみによる治療成績に関しては幾多の報告があり,症例によつてはある程度進行したものでも治癒の可能性があり,その治療の限界も相当広げられているようである。後に残された問題として肺結核の化学療法でも取り上げられているように2つの難点がある。その1つは化学療法施行中に通例としてみられる薬剤耐性が高度に獲得され,それらの薬が効かなくなつたもの,もう1つは抗結核剤未使用の結核患者でその菌が既に耐性を獲得しているもの,即ち薬剤耐性獲得菌による感染と思われる症例の出現および増加の問題である。この後者のprimary drug resistanceについては1944年Furtos, Mc Coyらが最初に耐性菌感染例の報告以来,肺結核領域で年年数多くの報告がみられ,これらの症例の治療あるいは予防対策も検討されているようであるが,尿路結核でのかかる未治療者の耐性菌感染例に関する観察についての系統的な報告には接しない。著者らはまずこの問題に関しての肺結核でのいろいろな報告について文献的に考察したところを述べ,次いで少数例ではあるが当教室において尿路結核患者で化学療法未施行症例の尿中結核菌薬剤耐性を検査した成績について報告する。
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