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泌尿器科図譜・176
リンパ系撮影により確認された腎腫瘍の左静脈角リンパ節転移
METASTATIC RENAL CARCINOMA OF THE LEFT SUBCLAVIAN NODE WHICH WAS RECOGNIZED BY LYMPHOGRAPHY
田崎 寛
1
,
岩本 昭雄
1
Hiroshi TAZAKI
1
,
Akio IWAMOTO
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Keio University, School of Medicine
pp.639
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203817
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- Abstract 文献概要
患 者 71歳,男会社役員。主訴 右側腹部腫瘤 既往歴 肺結核にて1年前より加療中。高血圧症にて15年来加療中。家族歴 特記すべきことはない。現病歴 肺結核にて療養中昭和38年11月主訴に気付く。腫瘤はその後増大の傾向なく局所の疼熱感等もない。肉眼的血尿なく尿回数も正常。右腎結核を疑つて撮影されたIPで右腎は全く描出されず、精査の目的で昭和39年3月6日入院した。現症 入院時,腹部触診にて右腎下極は腫瘤状に増大,臍高,表面比較的平滑,硬度は硬,呼吸性に良く移動する。尿蛋白(+),沈渣に赤血球ほとんどなく白血球少数,培養でE. Coli(+),Hb 10g/dl,Ht 33.5%,WBC 9000。RPで右中腎杯の圧迫像が見られ(第1図)腎動脈撮影でも右腎腫瘍を疑わせる所見を示した。左静脈角リンパ節が拇指頭大に触知されたためリンパ系造影を施行したところ同部に一致してリンパ節の部分的欠損像(第2図)が認められた。摘出リンパ節は肉眼的にも明らかな癌転移を示し(第3図)病理組織学的検査でClear cell ade—nocarcinoma(第4図)が確認された。
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