Japanese
English
皮膚科図譜・171
遠心性環状紅斑
ERYTHEMA ANNULARE CENTRIFUGUM (Darier)
笠井 達也
1
,
牧野 好夫
1
Tatsuya KASAI
1
,
Yoshio MAKINO
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.330
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203742
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症 例 23歳,男。現病歴 約10年前より,時折腹部に環状の発疹を生じたが,その都度約1カ月で消退をみていた。約2年前からは腹部の発疹は新旧出没を繰返して全く消退することがなかつた。偶々胆嚢造影剤(Telepaque)を服用したところ,翌朝躯幹全体に同様の発疹が多発したので来院。現症躯幹に豌豆大前後の鮮紅色,硬く,扁平に隆起せる丘疹(第1図)と,鵞卵大までの環状に隆起せる紅斑が(第2図),多数播種状に混在する(第3図)。掻痒なし。経過丘疹状発疹は漸次遠心性,環状にほぼ1週5mm程度づつ外方へ拡大して,1カ月前後で次第に消失する。軽度の色素沈着を残すこともある。ヨードカり貼布並に内服試験陰性。好酸球増多症なし。組織所見真皮全層に亘る強い浮腫と,真皮上,中層の血管周囲の中等度の小円形細胞浸潤(第4図)。治療Sulfapyridine投与にて著しく軽快したが,中止により再燃す。その後漸減しつつ約2ヵ月連続投与して治癒。抗ヒスタミン剤等無効。
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