Japanese
English
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眼瞼皮膚弛緩症の1例
A CASE OF BLEPHAROCHALASIS
三宅 一夫
1
Kazuo MIYAKE
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Keio University
pp.287-293
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203733
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I.緒論
眼瞼に特異的な腫脹と弛緩とを生ずる疾患は古くBeer (1807),Sichel (1884)らによって注目されていたが,1896年Fuchs18)が本症に関して初めて詳細な記載を行ない,Blepharochalasisなる名称を提案して以来,欧米においては1920年代から1930年代にかけて特に数多くの報告を認めることが出来る。一方,本邦においては,1914年鹿児島1)が「眼瞼皮膚弛緩症」の名称の下に2例を報告したのを初めとするが,その後わずかに,浅井2),川辺3),向坂4)5),東大例6),邱7)8),中川11)12),木内10),真鍋及び藤重13),南16)17),山浦15)らの報告を散見するにすぎない。しかし,これらはいずれも眼科領域から発表されたものであり,皮膚科関係誌上では,奥野9)の総説をみるのみで,未だその報告には接しない。最近筆者は本症の1例を経験したのでこれを紹介するとともに本邦並びに欧米における本症例の文献的考察を行なったので報告する。
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