Japanese
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腎結石を伴い腫瘍様の腎盂像を呈した結核性膿腎症の2例
TWO CASES OF TUBERCULOUS PYONEPI-IROSIS WITH STONE DISPLAYING TUMORLIKE PYELOGRAMS
岡 直友
1
,
加藤 董
1
Naotomo OKA
1
,
Tadashi KATO
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Nagoya City University Medical School
pp.1135-1139
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203654
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I.緒言
腎結核に腎結石の合併する症例は少いとはいえ本邦文献からは高木(大正15)の第1例以来既に70例余を拾うことが出来る。腎結核における腎結石合併の頻度は,大越・生亀によれば,2.8%(Taylor)〜0.5%(Dosza),平均1.26%であり本邦文献については1.5%(鋤柄)〜0.31%(鈴木),平均凡そ1%前後である。この際,結石と結核との因果関係は興味のある問題であるが,剔出標本においても,これを定めることは困難な場合が少くない。
私らは,膿尿の点を除外すれば,触診上あるいは腎盂像上腎腫瘍を思わせるような形を呈した結核性膿腎症において,中腎杯頸部に固く嵌入した結石を認め,これが膿腎形成を促進したと考えられる興味ある2症例を経験したので報告する。その1例では高度な結核性腎周囲膿瘍が発育し腸管にもおよんでいた。
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