泌尿器科図譜・62・63
腫瘍様の腎盂像を示した結核性腎膿腫/ビニール管を核として発生せる膀胱結石
藤野 文雄
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科教室
pp.255-256
発行日 1956年5月1日
Published Date 1956/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201667
- 有料閲覧
- 文献概要
患者,27歳の女子。右腎部の緊迫感を訴えて来院。血尿並に尿意頻数はない。
膀胱鏡的所見異常なく両腎共に機能は先ず良好である。後腹膜気体注入法(1000cc)を施行し同時に逆行性腎盂撮影を行つた処,写真の如く右腎の上腎杯は欠損し中・下腎杯は下極に圧縮され,右尿管は中央部に強く圧排されていて腎腫瘍を思わしむる像を得た。該症の疑を以て右腎摘出術を行つた所右腎結核にして腎上半部に巨大な閉塞性の腎膿腫を生じており,この為に腫瘍様の腎盂尿管像を得たものであつた。尚中腎極には示指頭大の結石1個あり,右腎全重量は645瓦を算した。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.