印象記
第27回 東日本皮膚科連合地方会印象記
川村 太郎
1
1東京大学医学部皮膚科
pp.1124
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203650
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今年の東日本連合地方会は,東京女医大中村敏郎教授を会長に,昭和38年10月19日東京の日本都市センターホールで開催され盛会であつた。此の連合地方会の前身関東東北連合地方会は田村(名古屋),太田(仙台),橋本(新潟),伊藤(金沢)教授などの主唱ではじまつた。正式の学会を補う目的でround table discus-sionの場として発足した由,今日の諸連合地方会の隆盛を見るにつけても,関東東北連合地方会は創立の趣旨とは多少つれた方向へ発展したかの感もあるが,戦後の三連合地方会分立態勢の胚芽として果たしたその役割は,永く偲ばれるものであろう。以下頁の許す限り学術発表の印象を綴りたい。
中村会長は,特別講演で『無刺激』と一応考えられて居る基礎膏並に化粧品基剤をモルモットの背面皮膚に塗つてその影響を組織学的に検べ,それ等に因つて表皮肥厚並に角化が起ることを示した。蓋し,外用薬や化粧品の作用を考える場合のblanktestとなる貴重なデータと思われる。もう1つの特別講演の演者Bernstein博士はミシガン大学皮膚科(主仕Curtis教授)のassociateprofessor,目下阪大蛋白研に1年間の予定で在留する生化学者。
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