学会印象記
第25回東日本皮膚科連合地方会見聞記
中村 絹代
1
1慶大医学部皮膚科教室
pp.986-987
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203179
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第25回東日本皮膚科連合地方会は,福島市郊外の,飯坂温泉にて,最近にないなごやかな和式会場において,昭和36年10月8目(日曜日)に行われた。丁度青森におけるアレルギー学会及び仙台に於ける医真菌学会に引きつづいて開催されたため,殆んど全国の教室から,多くの先生方が集られ,非常な盛会であつた。今回の地方会は合同討議,患者供覧はなく,一般演題及びスライド供覧のみであつた。会長は福島医科大学皮膚科飯島教授で開会の挨拶に引続いて,一般演題が開殆された。
先ず,特殊な昆虫刺螫症について,岩重(昭医大)により,4種の昆虫がスライドにて供覧され,昆虫に対する認識を新たにさせられた。化膿性皮膚疾患,特に癤,疔に,副腎皮質ホルモンを併用すると,化学療法単独の場合よりも,急速に発赤,腫脹,疼痛を緩解し,治療期間を短縮すると云う仲野(東京警察)の演説には,多くの発言があつた。即ち,慢性膿皮症でない限り,ステロイドを使用するべきではないとの小堀(東逓信)の反論に対し,出題側の大森(東京警察)は,患者の特殊な状態即ち,Cosmeticにきれいに治療せしめたい場合等に使用すると,確かに良い結果が得られると述べていたが,結局,病巣細菌に感受性ある化学療法を行う事が第一で,他にステロイド,赤外線,少量のレ線を併用する事により速効する場合が認められると云う結論となつた。
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