Japanese
English
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腎周囲水瘤の1例
A CASE OF PERINFPHRIC CYST
鶴田 敦
1
,
葛西 津世志
1
,
加藤 哲郎
1
Atsushi TSURUTA
1
,
Tsuyoshi KASAI
1
,
Tetsuo KATO
1
1北海道大学医学部泌尿器科教室
1Department. of Urology, Hokkaido University School of Medicine
pp.607-609
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203541
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I.緒言
腎周囲に尿性あるいは漿液性の液体が潴溜し嚢胞状になつて腎を囲繞している状態(多くの場合腎線維被膜が嚢胞壁となつている)はPerirenaleHydronephrose(Minkowski,1906),Hydrocele renis(Krogius,1921),Hygroma Perirenalis(Connerth,1922),pararenale Pseudohydronephrose(Crabtree,1935)あるいはperinephric Cyst(Spriggs,1952)など種々の名称で呼ばれており,本邦でも今日まで周囲性腎臓水腫(角田1933),腎臓水瘤(小林1942),あるいは仮性水腎様嚢腫(須賀1944)などという名の下に報告例が散見されているが,本邦文献例は20例にみたぬ現状で比較的まれなものと考えられる。なお本症は成因上,腎付近に独立して発生する嚢胞あるいは水腎症などとは明らかに異なるものであるから,上記のうち例えばPerirenaleHydronephroseとかPararenale Pseudohydronephroseなどまたこれらの直訳名は本症を理解する上不適当であると考えられ,市川等,岡等の提唱する腎周囲水瘤なる語が広く用いられるようになつている。
われわれも最近本症と考えられる例を経験したので報告する。
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