Japanese
English
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皮膚癌の臨牀病理学的ならびに組織化学的観察
CLINICOPATHOLOGICAL AND HISTOCHEMICAL OBSERVATIONS ON THE SKINCANCER
荒尾 龍喜
1
,
桑原 司
1
Tatsuyoshi ARAO
1
,
Tsukasa KUWAHARA
1
1熊本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kumamoto University, Medical School
pp.57-66
発行日 1963年1月1日
Published Date 1963/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203425
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I.はじめに
原発性皮膚癌は胃癌,乳癌,子宮癌等他の臓器組織の癌に比べて予後良好とされている。周知の如く皮膚癌中屡々みられるものは表皮細胞より発生する棘細胞癌と基底細胞癌で,稀に脂腺,或は汗腺より発生する皮膚附属器官癌がみられる。この内基底細胞癌は一般に発育緩徐,又深層を侵さず,遠隔転移することも稀で,従つて死の転帰をとることは殆んどない。これに対して棘細胞癌は急速に拡大,且つ屡々転移し,治療の時期を失すると予後重篤の経過をとると考えられている。しかし後者にもその悪性度によつては可成り発育の緩慢なものまで広い巾がある様である。我々は組織学的ならびに組織化学的検索を加えて,昭和31年以降約5年間我が教室で経験した棘細胞癌23例基底細胞癌16例につきこの関係を検討し,若干興味ある所見を得たのでその成績について述べる。
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