--------------------
皮膚癌の統計的観察
入江 正二
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
pp.569-571
発行日 1954年10月1日
Published Date 1954/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201278
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
皮膚癌の統計的観察は多々あるが,我々の教室に於ける材料に就いてはまだ検討されたことがない。そこで私は大正14年1月より昭和28年12月迄の29年間に,北大皮膚科外来を訪れた皮膚癌例につき,茲に統計的観察を試みようと思う。
1)頻度:29年間に皮膚科外来(勿論泌尿器科は除く)を訪れた患者47374名中皮膚癌は24例(0.05%)を数えた。その年度別頻度は第1表の如く,昭和17年以降は各年1〜2例ずつ見られて(0.03%)いるが,年次的頻度には大差なく,総体的にみてそれ程多いものではないことが分る。本邦に於ける他の同じく皮膚科に於ける統計,例えば藤井の岡山医大25年間の外来患者数に対する0.06%,野村の東北大学10年間の0.03%,山本の山形市立病院10年間の0.05%,と大体似た数字を示して居た(唯伊藤の金沢医大20年間の統計では0.164%の如き大い数字が見られているが,之は例外的の数字の様に思われる)。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.