Japanese
English
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恥骨切除による後部尿道到達法について—(附)男子後部尿道憩室症例
THE METHOD OF APPROACH TO THE POSTERIOR URETHRA BY PUBIC RESEC-TION : A CASE OF DIVERTICULUM OF THE POSTERIOR URETHRA IN MALE
田村 誠一郎
1
,
田坂 純雄
1
,
難波 克一
1
Seiichiro TAMURA
1
,
Sumio TASAKA
1
,
Katuichi NAMBA
1
1岡山大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Okayama University, Medical School
pp.891-896
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203370
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I.緒言
恥骨切除をおこなつて前立腺部に到達する手術法は,さきに「皮膚と泌尿」21巻誌上に発表し,前立腺手術におけるこの方法の有用性について述べたが,著者等はさらに男子後部尿道憩室を有する症例に対して本法を応用して憩室別除術を施行した。この尿道憩室は後述するように,おそらく後天的に生じたものと解され,前立腺部尿道の前方に位置し膜様部尿道に開口し,手術操作を加える点では比較的困難を伴うことが予想されたが,恥骨切除法を応用して前立腺部を充分露出することが出来,手術を遂行し得た。憩室と前立腺部尿道との関係,とくにそれが膜様部尿道に開口する状態を直視下に確めた後,確実に憩室を別除し得,その後の尿道の修復もまた確実に行うことが可能であつた。
さきの前立腺癌手術の際には本法を応用して手技上甚だ有利であつたが,この自験例のように後部尿道を露出して,とくに詳細に探索する必要があるような場合にも極めて有利であると思惟されるので,再び本法について自験例を中心にして述べてみる。
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