Japanese
English
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後天性色素沈着症へのビタミンCイオントホレーゼ療法
VITAMIN C IONTOPHORETIC THERAPY FOR ACQUIRED PIGMENTATIONS
高瀬 吉雄
1
,
出川 智久
1
,
鈴木 洋子
1
,
増田 栄司
1
,
斉藤 常道
1
Yoshio TAKASE
1
1東京医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tokvo Medical College
pp.799-805
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203352
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緒論
母斑性のものを除いて,所謂,後天性色素沈着症の治療法には全身,および局所療法の多くが研究されてきたが,何れも相当の効果を認めつつも尚満足すべきものは見出されていない。これまでに一般に行われている全身療法としては内分泌製剤ではDCA,インテレニン,強インテレニン,コーチゾンおよび誘導体,性ホルモン。副腎,下垂体移植。砒素,BAL,メルカプト酷酸注射。ビタミンC単独またはBとの併用。下垂体および頸部交感神経節X線照射。水銀利尿剤内服。パラハイドロオキシプロピオフェノン(P.H.P.,カスタン)がある。局所療法としては0.5〜2.0%ハイドロサルファイトラノリン軟膏,過硼酸ソーダ軟膏,過酸化水素水イオントホレーゼ。ビタミンCイオントホレーゼ。ハイドロキノンモノベンジールエーテルがある。
勿論,我々が目常接する後天性色素沈着症,即ちアジソン病,リール黒皮症,肝斑,発疹後色素沈着症,色素性苔癬,砒素黒皮症等の疾患がその発生機序が各ゝ異なり,しかも関連する諸内分泌腺機能,神経系および新陳代謝も自ら一定のものではない。更にはメラニン発生から局所沈着の全課程も今日不明の部分を残している。この故に病因論に基づいた治療も,沈着したメラニンに対する治療も,充分研究され尽していない現状である。
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