特集 代謝異常症・沈着症
ビタミンB12欠乏により色素沈着を生じた1例
新石 健二
1
,
野村 佳弘
,
寺崎 靖
1富山市立富山市民病院 皮膚科
キーワード:
Vitamin B12
,
ビタミンB12欠乏症
,
色素異常症
,
鉄
,
貧血-悪性
,
貧血-鉄欠乏性
Keyword:
Anemia, Pernicious
,
Pigmentation Disorders
,
Vitamin B 12
,
Vitamin B 12 Deficiency
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Iron
pp.340-341
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017200153
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82歳女性。2年前より頸部、手足の色素沈着を自覚し、徐々に増大してきたため受診となった。初診時、顔面は全体に黒ずみ、項部に斑状の色素沈着を認めた。両手背にはびまん性の色素沈着を認め、舌縁や頬粘膜にも色素沈着がみられた。臨床検査で血清鉄の低下、ビタミンB12の著減、抗胃壁細胞抗体と抗内因抗体の陽性ほか、上部消化管内視鏡にて慢性萎縮性胃炎を認めたことから、悪性貧血および鉄欠乏性貧血と診断された。また、慢性甲状腺炎の合併も認めた。色素沈着についてはビタミンB12欠乏によるものと考え、ビタミンB12および鉄剤の投与を開始したところ臨床検査値は正常化し、2ヵ月後には色素沈着も軽減が得られた。
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