Japanese
English
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2,3皮膚疾患に対するアリナミンの効果
EFFECT OF ALINAMIN ON SOME TYPES OF SKIN DISEASES
松崎 俊彦
1
Toshihiko MATSUZAKI
1
1自衛隊中央病院診療2部
1Therpeutic DepartmentⅡ, Central Hospital, Self-Defense Corps
pp.635-641
発行日 1962年7月1日
Published Date 1962/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203318
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I.緒言
近年ビタミンB1(V.B1)の臨牀的応用は非常に広範囲に及んでいる。V.B1の欠乏を主因とする脚気の研究が輝やかしいビタミンの発見の契機となつたことは周知の事実である。V.B1は最初はその欠乏症である脚気の治療乃至予防に用いられるのみであつたが有機化学,酵素化学の進歩によりV.B1の構造,測定法のみでなく作用機序についての知見は著しく補足解明されビタミンの体内に於ける重要な作用の前提として所謂活性化の起ることが判明し主として治療上に一大進歩をもたらした。その結果欠乏症以外の目的のための臨牀応用(所謂非特異性応用)の範囲が拡大してきた。皮膚科領域に於ても皮膚疾患とV.B群との関係は従来多くの報告がなされ密接な関係についていろいろ検討が加えられている。しかしV.B1単独の皮膚疾患に対する治療的意義に関しては未だ一定した評価が得られていない。即ち多くの疾患に対しV.B1が用いられているがこれはこれらの疾患がすべてV.B1不足が直接原因と考えられ又V.B1補給がこれらを直接治癒に導くというものい。元来にV.B群はB1単独の作用というよりもではなB群の相互協力作用が見られることが少くない。
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