Japanese
English
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睾丸補填法
SUPPLEMENT OF THE DEFICIATED TESTICLE
中神 義三
1
Yoshizō NAKAGAMI
1
1日本医科大学泌尿器科教室
1Department of Uroogy, Nihon Medical College
pp.399-402
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203273
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緒言
睾丸欠損は腹部停留睾丸,先天性睾丸欠損症はもとより高度の副睾丸結核,精索捻転症,睾丸腫瘍,外傷性睾丸損傷,或は前立腺癌の抗男性ホルモン療法等に原因して除睾術をうけた者に見られるわけで,患者が比較的若年者である場合には時に睾丸補填を求められる事がある。従来睾丸の補填については殆ど文献が見られず,合成樹脂球を睾丸大にして直接陰嚢内に入れたり,或は大越は前立腺癌の除睾術に際して睾丸の実質を除去して白膜を残し之に樹脂球をいれる方法を述べている。後者の場合には成功率は高いが,すべての睾丸欠損例に適応する事は出来ず,前者の場合には樹脂球自体の組織親和性が少いためか周囲組織に対する刺激性が強く又局所の運動に伴う物理的刺激等の為に後述の動物実験で明らかな如く炎症を惹起して自然排出されてしまうと云われる。そこで著者は秋山の考按になるシリコン系の一種である人工軟骨様の固形物として架橋されたDimethyl-polysiloxan (商品名Eiicon No.3。以下D.M.P.S.と略)(第1図)の睾丸大のものを腹直筋膜にて被覆し之を陰嚢内に挿入し経過を観察したところ創面治癒も良好で睾丸形成法として好結果を得たのでここに報告する。
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