特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
頭髪が脱毛する疾患
円形脱毛症
下村 裕
1
SHIMOMURA Yutaka
1
1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
pp.1370-1373
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000344
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はじめに
毛包は,成長期→退行期→休止期からなる毛周期を一生涯にわたり営む皮膚付属器であり,強力な自己再生能を有する。さらに,免疫寛容状態を維持していることも毛包の特徴である。円形脱毛症(alopecia areata:AA)は,自己免疫の機序で毛包が破壊されることで脱毛をきたす疾患である。一過性の反応であり,脱毛した後に発毛しうるが,とくに小児においては寛解と再発をくり返しやすく,さらに治療法も限られていることから,日常診療において苦戦する皮膚疾患の一つである。
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